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ホームページ制作の外注で知っておきたい著作権とトラブル回避術

2026/02/16

ホームページ制作をプロに依頼しようとしたとき、デザインや費用のことばかり気にしていませんか?実は、外注時にもっとも注意しなければならないのが「著作権」にまつわるトラブルです。

「お金を払って作ってもらうんだから、完成したサイトは当然自分のものになるでしょ?」

もしそう思っているなら、少し危険かもしれません。実は契約内容によっては、著作権が制作会社に残ったままだったり、知らずに使った画像で損害賠償を請求されたりするケースも少なくないんです。せっかくリニューアルしたサイトが原因で、会社の信用を落とすなんて事態は絶対に避けたいですよね。

そこで今回は、ホームページ制作の外注で「知らなかった」では済まされない著作権のルールと、トラブルを未然に防ぐためのチェックポイントをわかりやすく解説します。ネットで拾った画像の扱いや、契約書で見るべきポイントなど、発注側の担当者なら必ず知っておきたい内容ばかりです。あとで後悔しないために、ぜひ発注前の知識武装として役立ててくださいね。

1. その画像、勝手に使ってない?ネット検索で拾った写真は超キケン!

ホームページのデザインやブログ記事において、視覚的な要素である「画像」は非常に重要です。しかし、素材を用意する際に「Google画像検索で良さそうな写真を見つけたから、とりあえずこれを使おう」と安易に考えてダウンロードし、自社サイトに掲載してしまうケースが後を絶ちません。実はこれ、企業の信頼を一瞬で失墜させかねない極めて危険な行為です。

インターネット上に公開されている写真やイラストには、原則としてすべて「著作権」が存在します。検索エンジンで表示される画像は、誰かが撮影したり作成したりした著作物であり、自由に使って良い「フリー素材」とは限りません。無断で使用した場合、著作権侵害となり、権利者から高額な損害賠償請求や使用料の請求を受けるリスクがあります。場合によっては、法的措置を取られ、ウェブサイトの閉鎖を余儀なくされる可能性すらあるのです。実際に、何気なく使った1枚の写真が原因で、数百万円単位の請求が届いたという事例も珍しくありません。

また、「フリー素材」と銘打っているサイトであっても注意が必要です。「フリー」とは「著作権が存在しない」という意味ではなく、「規約の範囲内であれば無料で使っても良い」という意味であることが大半です。例えば、「商用利用は不可」「画像の加工は禁止」「著作者のクレジット表記が必須」といった条件が細かく設定されていることがよくあります。これらを確認せずに使用すれば、立派な契約違反となります。

こうしたトラブルを確実に回避し、安全にホームページを運営するためには、以下の方法を推奨します。

最も確実なのは、Shutterstock(シャッターストック)やPIXTA(ピクスタ)、Adobe Stock(アドビストック)といった、信頼できる有料のストックフォトサービスを利用することです。これらのサービスは権利関係が明確に管理されており、高品質な素材を安心して商用利用できます。ホームページ制作を外注する場合も、見積もりの段階で素材購入費について相談しておくとスムーズです。

コストを抑えたい場合は、商用利用が可能か明確に記載されている無料素材サイトを利用しましょう。日本国内であれば「ぱくたそ」や「いらすとや」、海外のハイクオリティな写真であれば「Unsplash」などが有名ですが、必ず利用規約を最新の状態で確認してください。もちろん、自社で撮影したオリジナルの写真を使用するのが、権利面でもブランディング面でも最も効果的です。

ホームページ制作を外注する際、クライアント側から「この画像を使ってほしい」と素材を支給するケースも多々あります。その際、知らず知らずのうちに権利侵害をしている画像を制作会社に渡してしまうと、制作会社をも巻き込んだ大きなトラブルに発展しかねません。画像の出所は必ず確認し、権利関係がクリーンな素材のみを使用するよう徹底しましょう。

2. お金を払ったのに著作権は制作会社のもの?契約書のココだけは要チェック

Webサイト制作を外注する際、多くの発注者が誤解している重要なポイントがあります。それは「お金を払って制作を依頼したのだから、完成したホームページの著作権は当然自分の会社にある」という認識です。実は、日本の著作権法において、著作権は原則として「制作した人(制作会社やクリエイター)」に発生します。

これを知らずに契約を進めてしまうと、納品後に大きなトラブルに発展するケースが後を絶ちません。例えば、自社でニュースの更新をしようとしたり、将来的に別の制作会社へリニューアルを依頼したりする際に、「著作者である元の制作会社の許可が必要」と言われたり、最悪の場合は著作権侵害として訴えられたりするリスクさえあります。また、サイト内で使用したロゴやイラストを自社のパンフレットに流用しようとした際に、二次利用料を請求されることも珍しくありません。

こうした事態を避けるために、契約書を交わす段階で必ず確認すべき項目が2つあります。

一つ目は「著作権の譲渡」に関する条項です。
契約書の中に「本件成果物の著作権は、納品完了と同時に甲(発注者)に移転する」といった文言が含まれているかを確認してください。通常、制作会社が提示する雛形では、著作権が制作会社に留保されているケースや、単なる「利用許諾」にとどまっているケースが多く見られます。もし自社で自由に更新や改変を行いたい場合は、著作権譲渡の契約を結ぶことが不可欠です。ただし、制作会社によっては譲渡に追加費用が発生する場合もあるため、見積もりの段階で条件をすり合わせておく必要があります。

二つ目は「著作者人格権の不行使」特約です。
著作権を譲渡してもらっても、制作者には「著作者人格権」という、譲渡不可能な権利が残ります。これには「勝手に内容を変えられない権利(同一性保持権)」などが含まれます。つまり、著作権を持っていても、著作者人格権を行使されると、発注者はサイトの色を変えたり文章を修正したりすることが法的に難しくなるのです。そのため、契約書には「著作者人格権を行使しない」という一文を必ず盛り込むようにしましょう。

ホームページは作って終わりではなく、運用しながら育てていくものです。将来的な更新や修正をスムーズに行うためにも、発注前の契約書チェックで「著作権の所在」と「権利の範囲」を明確にしておくことが、最大のトラブル回避術となります。

3. 「知らなかった」じゃ済まされない!実際にあった著作権トラブルの怖い話

ホームページ制作を外部の専門業者に依頼したからといって、発注者が著作権トラブルと無縁でいられるわけではありません。むしろ、知識不足によって発注者自身が損害賠償請求の対象となるケースが後を絶ちません。Webサイトを公開し、その利益を享受するのは運営者であるあなた自身だからです。ここでは、Web制作の現場で実際に頻発している具体的なトラブル事例を紹介します。これらは対岸の火事ではなく、いつ自社に警告書が届いてもおかしくない現実的なリスクです。

事例1:ネット検索で見つけた画像を「仮」で入れたまま公開してしまった**
最も多く、かつ高額な賠償請求につながりやすいのが画像の無断使用です。制作の初期段階では、デザインのイメージを共有するために、Google画像検索などで見つけた写真を「アタリ(仮の画像)」として配置することがあります。本来であれば、本番公開までに正規のストックフォト(有料素材)や自社で撮影した写真に差し替える必要があります。

しかし、制作会社との連携ミスや確認漏れにより、仮画像のままサーバーにアップロードされ公開されてしまう事故が発生しています。実際にあった事例では、無断使用された写真の権利者から内容証明郵便が届き、過去の掲載期間にさかのぼって損害賠償金と高額な使用料を請求されました。「制作会社がやったことだ」と主張しても、サイトの運営責任者としての過失は免れず、数百万円単位の和解金を支払う結果となったケースも存在します。

事例2:フリー素材の「規約」を読み落として泥沼化**
「無料」と謳われているフリー素材サイトや素材集を利用する場合でも注意が必要です。「フリー」とは「著作権放棄」という意味ではありません。多くの素材サイトには厳格な利用規約が存在します。

よくあるトラブルが、「個人利用は無料だが、企業の商用サイトでは有料」というケースや、「加工・改変の禁止」、「クレジット表記の義務付け」などを見落とすパターンです。ある企業サイトでは、人物写真のフリー素材を使用していましたが、その素材が「アダルトサイトや公序良俗に反するサイト、および特定の医療系広告での使用禁止」という規約を持っていたことに気づかず使用してしまい、モデル事務所からクレームが入りました。サイトの取り下げだけでなく、企業のブランドイメージを大きく損なう事態に発展しました。

事例3:フォントのライセンス違反による違約金請求**
画像に比べて意識が向きにくいのが「フォント(書体)」の権利です。PCにプリインストールされているフォントや、デザインソフトに付属しているフォントであっても、Webサイトの画像作成やWebフォントとしての利用には制限がある場合があります。

特に注意が必要なのは、デザイナーが所有しているフォントライセンスの範囲外で利用してしまうケースです。デザイナーのPC内での制作(印刷用データの作成など)は許可されていても、そのフォントデータ自体をWebサーバーにアップロードして表示させる「Webフォント」としての利用は、別途契約が必要なことが一般的です。これを知らずに運用していた企業が、フォントメーカーからライセンス違反を指摘され、正規ライセンス料の数倍にあたる違約金を請求された事例もあります。

これらのトラブルに共通しているのは、「悪意があったわけではない」という点です。しかし、著作権法において「知らなかった」は免罪符になりません。Web制作を外注する際は、納品される素材の一つひとつについて権利関係がクリアになっているか、発注者自身も厳しい目でチェックする必要があります。

4. 文章のコピペも絶対にNG!バレないと思っているのは自分だけかも?

Webサイト制作において、画像の著作権については敏感な方でも、文章(テキスト)の著作権侵害については認識が甘いケースが散見されます。「少し語尾を変えれば大丈夫」「有名なサイトではないからバレないだろう」という安易な考えは、企業の存続に関わる重大なトラブルを引き起こしかねません。文章も立派な著作物であり、他社サイトのコンテンツを無断でコピー&ペーストして使用することは、明白な著作権法違反にあたります。

もし著作権侵害が発覚した場合、権利者からの削除要請はもちろん、損害賠償請求や法的措置をとられるリスクがあります。一度でも盗用が公になれば、企業のコンプライアンス意識が疑われ、社会的信用は一瞬にして失墜します。特にSNSが発達した現代では、炎上リスクも考慮しなければなりません。

また、法的な問題だけでなく、Webマーケティングの観点からも文章のコピペは致命的なデメリットをもたらします。Googleなどの検索エンジンは、ユーザーにとって有益でオリジナリティのあるコンテンツを高く評価するアルゴリズムを採用しています。他サイトからのコピーコンテンツや、内容が酷似している重複コンテンツ(ミラーサイト扱い)と判断された場合、検索順位が大幅に下げられたり、検索結果(インデックス)から削除されたりするペナルティを受ける可能性が極めて高いです。集客のためにホームページを作ったにもかかわらず、検索エンジンから「価値のないコピーサイト」と認定されてしまっては本末転倒です。

「バレないと思っているのは自分だけ」というのは決して大袈裟な話ではありません。現在は、誰でも利用できる高性能なコピペチェックツールが多数存在しています。例えば、Web制作の現場でもよく利用される「CopyContentDetector」などのツールを使えば、文章の類似度や一致率、コピー元のURLなどが瞬時に解析可能です。制作会社側で納品前にチェックを行うことが一般的ですが、発注者側が原稿を用意する場合も、意図せず他サイトと似てしまっていないか注意が必要です。

ホームページ制作においては、独自の視点や自社の強みを「自分の言葉」で伝えることこそが、著作権トラブルを回避し、かつ検索エンジンからの評価を高めてアクセスアップに繋げる最良の方法です。外注先とのトラブルを避けるためにも、オリジナルコンテンツの重要性を正しく理解しておきましょう。

5. トラブルなしで安心して任せるために!外注前に確認したい重要ポイント

ホームページ制作を外注する際、もっとも避けたいのは「納品後に発覚する認識のズレ」や「予期せぬ追加費用の発生」といったトラブルです。プロジェクトを円滑に進め、完成後の運用をスムーズに行うためには、契約前の段階で細部まで条件をすり合わせておくことが不可欠です。ここでは、発注側が事前に制作会社と握っておくべき具体的なチェックリストを紹介します。

著作権の帰属と譲渡範囲を契約書で明記する

Webサイトの著作権は、特約がない限り原則として「制作した側(制作会社やWebデザイナー)」に発生します。そのため、納品と同時に著作権を自社に譲渡してもらうのか、あくまで利用許諾の範囲で運用するのかを契約書で明確にする必要があります。

特に注意が必要なのが「二次利用」や「改変」の権利です。将来的に自社でページを更新したり、デザインの一部をチラシやバナー広告に流用したりする場合、著作者人格権の不行使特約や著作権譲渡契約が結ばれていないと、権利侵害として訴えられるリスクがあります。契約書には必ず目を通し、権利関係の条項が自社の運用方針に合致しているかを確認してください。

画像素材やフォントのライセンス確認

制作会社がデザインに使用する写真、イラスト、フォントなどの素材に関する権利処理も重要な確認事項です。Adobe FontsやGoogle FontsのようなWebフォントであれば問題になりにくいですが、有料のストックフォトサービス(ShutterstockやPIXTAなど)を利用する場合、ライセンスの購入者が制作会社なのか、発注者である自社なのかによって、利用可能範囲が異なります。

制作会社が契約している素材を無断で使い続けると、契約終了後にライセンス違反となるケースがあります。納品後も自社で継続して適法に使用できる素材かどうか、必ずリストアップして確認を求めましょう。

修正回数と追加費用の境界線

制作現場で頻発するトラブルの一つが「修正依頼」に関するものです。「納得いくまで直してほしい」という発注者と、「これ以上の修正は予算オーバー」という制作者の間で摩擦が起きないよう、事前にルールを決めておくことが大切です。

* デザイン案の修正は何回まで無料か(例:2回まで)
* 大幅なレイアウト変更は追加費用の対象になるか
* コーディング完了後のテキスト変更は対応可能か

これらを見積もりの段階で確認し、どの作業から別料金が発生するのかを明文化しておけば、お互いに気持ちよく仕事を進めることができます。

納品データの形式とサーバー・ドメインの管理権限

「ホームページが完成した」といっても、何が手元に残るかは契約次第です。公開用のHTMLやCSSファイルだけでなく、デザインの元データ(PhotoshopのPSDデータやIllustratorのAIデータ)も納品物に含まれるか確認しましょう。元データがないと、将来的に別の制作会社へリニューアルを依頼する際、一から作り直しになる可能性があります。

また、サーバーやドメインのアカウント情報を誰が管理するかも重要です。制作会社が代理で取得・管理する場合でも、管理者権限(IDとパスワード)は必ず共有してもらいましょう。制作会社と連絡が取れなくなった際に、自社のサイトが編集・削除できなくなる最悪の事態を防ぐための命綱となります。

これらのポイントを事前に一つひとつクリアにしておくことで、外注におけるリスクは劇的に下がります。信頼できるパートナーと長く付き合っていくためにも、契約前の確認作業を惜しまず行いましょう。